私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。

障がい者支援フォーラム「高次脳機能障害ってなに?」

平成28年12月4日(日),@アクロス福岡,障がい者支援フォーラム「高次脳機能障害ってなに?」が開催されました。

弁護士と高次脳機能障害とのかかわりとしては,交通事故の後遺症の問題などでかかわりになることも多くなっており,数ある障害のなかでも,「みえない障害」として,非常に難しい分野,浸透していない分野ではないかと思っています。今回,このようなフォーラムにより,高次脳に関する情報が,ご本人や支援者などの生の声を伴って発信されるにいたり,大変貴重な機会をいただくことができたなと思っています。

なかでも,東京慈恵会医科大学医師渡邉修先生の講演は,大変わかりやすく,感銘を受けました。備忘のためにも,レジュメに記載がないことを中心に,メモをしておきたいと思います。

・突然の激しい頭痛を伴うのは「くも膜下出血」。それ以外にはない。

・高次脳機能障害は,悪くならない。回復する。アルツハイマー型認知症は,どんどん症状が付加されていき,悪化していく。←高次脳の方が退院後悪くなったように見えたのは,入院中は病院というわかりやすい構造のなかにいて,遂行機能を使用しなかったからである。

・リハビリにおいては,ADLなどにとどまらず,「拡大日常生活」(訓練,料理,洗濯,買物,外出,電話,コミュニケーション,公共交通機関利用,金銭管理)などができるようになるのを目的にすべき。

・左脳は言語,右脳は図形。

・脳は,欠損を埋めようとする傾向がある。

・失語のある方は,助詞がわかりにくいので注意。短文で極力助詞を使わない。

・左脳が損傷している(言語に障害が出ている)人には,図形(右脳)で示す,左脳が損傷している(図形の把握に障害が出ている)人には,言語(左脳)で示す。

・海馬は,脳のなかでも,ぜい弱な部分。

・新しく学習するときは,はじめから失敗しないようにして覚える工夫を(失敗したことを覚えてしまうと,失敗し続ける。)。

・社会的行動障害に対しては,前頭葉損傷に対してはなすすべがなくても,環境の変化(役割の喪失,生き甲斐の喪失,能力の喪失)については,支援ができる。

・興奮性,易怒性について,よい行動(笑顔,協調性)には,目印を。

・するべき作業,望ましい作業は,楽しい,あるいは楽しいことが付随しているように工夫をしよう。

・支援者はどうしても審判的な評価をくだしてしまいがちだが,「一緒に頑張りましょう。」という姿勢が大事。

・家族,支援者自身が幸福感をもって障がい者に接すること。

このほか,盛りだくさんの内容を,わかりやすくご講義いただきました、ありがとうございました。 先生の著書「高次脳機能障害と家族のケア 現代社会を蝕む難病のすべて」も購入。引き続き勉強していきたいと思います。


ブロガー: 弁護士西村幸太郎

豊前の弁護士です。