私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。

税務研修に参加してきました!

税務研修に参加してきました!

地方に限られないかもしれませんが,相続事件における相続税,贈与税の取扱い,離婚事件や破産事件での不動産処分に係る課税など,税法の知識が必要となる場面があります。相談の中で,税に関する質問がされることもあり,税務について勉強しておくことは有益です。もちろん,自分の事務所経営にも役立ちます。前事務所の企画で,九州北部税理士会福岡支部の税理士でもある金谷比呂史弁護士より,貴重な研修をいただきました。

先生は,教科書的なお話にとらわれない,独自の視点,経験に基づき,「弁護士として」税の法学にどう向き合っているかをお話しいただきました。実際の業務に関するところでは,たとえば,以下のような部分が大事なのかなと思いましたので記しておきます。

・事業所得は必要経費控除を認めるが,給与所得や一時所得は認めない。

・事業所得は損益通算を認めるが,給与所得や雑所得は認めない。

・税法の世界では,損も価値がある場合がある。

・土地の所有権移転の原因が,和解条項において,売買(譲渡所得)か,時効取得(一時取得)かで課税関係が変わる。

・財産分与の場合,分与「した」側に多額の課税がされることがある。含み益に課税するという発想だから。

・遺産分割をするときは,換価分割にはしないこと。譲渡所得税が発生してしまう。現物分割か代償分割がよいが,現物分割は現実にはほとんどないだろうから,代償分割がよいだろう。

・未払い賃金があるとき,それが複数年にわたる場合,源泉分の処理をどうするかは問題になり得る。使用者側としては,源泉した上で支払うことになろう。

・とにかく租税特別措置法が出てくるが,措置法という割に恒久法のようなものもあり,税理士は補助金みたいなものという先生もおられる。本職の税理士にしっかり確認すべし。

・弁護士報酬は,事業所得であっても,支払者が源泉徴収納付義務を負うので,要注意。自分が支払う報酬につき,源泉徴収義務があるかどうか気になったら,所得税法204条を確認する。

・固定資産税や印紙税は,税理士の業務にも入っておらず,面白い世界。

・和解で現金を受け取った場合は,当事者名義の領収書なら印紙税が発生するが,弁護士名義の領収証であれば,収入印紙を貼る必要がない。

話はつきませんが,税の世界の面白さに触れたように思いました。引き続き勉強したいです。

所有権留保付自動車の対抗要件

自動車を購入する際,ローンを組む人は多いでしょう。ローンを組む場合,車検証上の所有者を信販会社(ローン会社)にしたりすることがあります。所有権留保という方法の担保です。ローンを払わなかったら,自動車を引き上げて,売って,そのお金を返済に充てますよということです。

登録名義が,信販会社でなく,「販売会社」(売主)のままであった時に,信販会社が,破産申立てをしようと弁護士に委任して準備している人/破産申立てをした人/実際に破産開始決定が出た場合の管財人に対し,所有権を主張して,自動車を引き上げられるか,逆に,これを求められた人が,これに応じてよいかという問題があります。

この点,最判平成22年6月4日は,信販会社が代金を立て替え払いするという約款になっていた場合に,立替金や手数料を担保するため信販会社に所有権を移転するとの合意がなされているとした上で,信販会社が登録名義を有していない以上は,対抗要件を具備しているとはいえないとしました。つまり,信販会社は,登録名義を有していない以上,自分の留保所有権を主張できないということです。

しかし,その後,最判平成29年12月7日は,信販会社が保証債務を履行するという約款になっていた場合に,信販会社が販売会社の留保所有権を代位するものとして,別除権行使を認めています。つまり,この場合の約款だと,登録名義を有していなくても,自分の所有権を主張できるということになります。

約款の内容,ひいては合意の内容次第で,結論が変わることになるので,注意が必要ですね。 最高裁で判断されたものと同様の約款であれば,最高裁の判断に従うということになるでしょうが,異なる約款の場合は,解釈問題になるので,最高裁の判断やこれを踏まえた議論状況を確認の上,判断が必要になってきます。

生命保険の効用等

弁護士が活動していく上で,いろいろな方々とのからみがあります。税理士,司法書士,社労士などの士業の方々はもちろんですが,交通事故事件では損保の関係者とのからみも多い。建築事件やIT事件などの専門性の高い事件であれば,設計士やプログラマーなどの専門性の高い方々とからみがあることも。企業・経営にかかわる事件や債務整理事件などではバンカーさんとのやりとりも欠かせません。さらに,結構身近なアイテムとして多くの人がかかわっている生命保険。個人・法人問わずさまざまな活用がされています。生命保険の営業マンにアドバイスいただいたり,実際に生命保険の利用を検討したりすることもあります。今回は,生命保険の効用について,検討してみたいと思います。(いろいろと検討できるテーマですが,思いついたままつらつらと書き連ねてみます。脈絡はないかもしれませんが,ご容赦ください。)

人生には,いろいろなお金が必要です。教育資金,子どもの結婚資金,家賃・ローン,住宅購入資金,老後の生活資金,緊急予備資金,長期療養資金,遺族の生活資金,死後の整理資金,生活立て直し資金,相続対策資金…こうした「お金」に関する問題については,生命保険が活用できます。生命保険には,①死亡に備える,②入院に備える,③三大疾病(就労不能)に備える,④介護に備える,⑤資産を形成する…などといった目的に利用できるという効用がありますので,多くの人がこれらを検討されていると思います。私なりのおおざっぱな分類だと,「保障」と「貯蓄」/「資産形成」ができる,と考えておけばよいのかなと思っています。生命保険はうまく使えば節税もできるので,必要な保障・資産形成をしつつ,副次的効果として節税の恩恵も受けるという発想で利用していけばよいのではないかと思っています。

ところで,複雑怪奇な生命保険も,おおざっぱに分類すると,①養老保険,②定期保険,③終身保険の3つに分類できます。①養老保険はいわゆる貯蓄型で,保険料を支払って貯蓄していく感覚で保険を利用できます。解約返戻金が出る代わりに,保険料は比較的高めになることが多いです。②定期保険は,いわゆる掛け捨ての保険の多くがこれで,安くて高い保障が得られるのが特徴。保障に特化しているため貯蓄性はないのが一般です。そして③終身保険はその名の通り加入すれば一生涯保障が受けられるのが特徴で,保障を志向したものということができます。複雑な生命保険も,基本はこの3つで,この組み合わせで商品ができているのですね。仕組みがざっくりとでもわかっていれば,商品の特徴を把握するのに,役立ちます。

多少の基礎知識はもった上,「必要な」保障や資産形成ができるのがよいのかなと思っています。安心のために,といって,なかみがよくわからないまま,必要性に疑問なものも含めてパッケージで加入してしまうこともあるようです。日本は,健康保険制度が整備されているため,医療保険については,相対的に必要性が高くないとも聞きます(もちろん,貯金だけでは補えないようなリスクには備えを検討する必要がありますが。)。むしろ,年金制度が危ない時代なので,将来の備えの必要性は高いといわれます。なにもかもを備え・資産を形成できればよいですが,保険料の負担との兼ね合いで,優先順位を付けつつ,必要な限度で加入を検討せざるを得ないでしょうから,内容をよく吟味して,必要な限度の内容で,必要な時にお金が受け取れるような内容の保険を利用していくのがよいのかなと考えています。

保障の関係でよく取り上げられるのは「ガン」(悪性新生物)ですが,ガンは自分の努力で防ぎやすいものでもあるそうです。また,よく2人に1人はガンで死亡するなどといった統計なども紹介されますが,男性は50代からリスクがグンと上がるものの,若いうちはそうでもないなどという話もあります。他方で,女性の場合はというと,乳がんや子宮頸がんなどの特有のリスクに気を付けなければなりません。上皮内新生物と悪性新生物では,厳密には後者のみがガンであって,前者の場合は保障の対象になっていないなどといったことでトラブルになることもあったようです。いずれにせよ,内容をよく吟味して,必要な時期に必要な保障が受けられるようにするよう検討するしかないのかなと思います。

貯蓄については,銀行預金という手段もありますが,長期的なスパンで検討できるのであれば,保険は1つの選択肢になるでしょう(数年程度の短期間における貯蓄・資産形成については,保険は向いていないと思います。)。長期間で物事をみるとなると,人口の増減,少子高齢化,物価の上昇・下落,教育費の増大,消費税の増税など,さまざまな経済的な要素も考慮して検討していかなければならないという面があります。経済の勉強も必要で,なかなかに大変ではありますね。

資産運用については,GPIFという機関において,運用のプロフェッショナルが,年金をいかに増やすか苦心しながら運用しており,参考になります。長期運用,資産分散,時間分散(ドル・コスト平均法)などといった考え方で運用しているようで,参考にしたいところです。

節税の関係では,生命保険料控除があることや,相続の場面では「500万円×法定相続人」の非課税枠があるなどといったこともよく知られており,活用ができると思います。

お金の関係では,他にも,銀行預金,共済,株式,投資信託…といろいろな制度・機関がありますから,それらも活用し,ベストな組み合わせを探っていきたいものです。

生命保険も,法人向けのものでは,最近,退職金の積み立てを保険を利用して行うという商品がはやっているのだとか。小規模の個人事業主などは,いわゆる中退共の利用などはされていると思いますが,これから保険の利用という選択肢も増えてきそうですね。

保険を私生活で,業務において活用するための方法は,現在進行形で,私も考えているところですので,また考えが変わったり纏まったりしたら,備忘のために記載していきたいと思っています。保険は,人生で2番目に大きな買い物などとも言われ,金額が大きい割には,内容がよくわからず,納得感の少ない商品とも言われているようです。せっかくなので,自分で納得して,必要な時に必要な分だけ必要なお金が出て,日々の保険料が家計を圧迫しない,それでいて節税などの恩恵も受けられる,そんな利用を目指していきたいですね。

とりとめもないことをつらつら書いてしまいましたが,本日はこの辺で失礼します。

保険セミナー

平成29年8月29日,私も企画に関与して,ソニー生命の保険営業マンに,保険セミナーをしていただきました。

将来を具体的にイメージしようというコンセプトで,少人数対話方式で講義を進め,独身だった場合,結婚した場合,子どもが生まれた場合,独立した場合,転職した場合…などなど,さまざまなシミュレーションをしながら,時々に必要となるお金について考えました。そうしたなか,どんなルートをたどっても必要となり,かつ,巨額のお金が必要となり得る,老後・年金の問題について深めました。厚労省が発表している具体的データをもとに,どのような生活水準でどれくらいのお金が必要か,お話いただきました。また,物価上昇(消費税増税)などとの関係,人口減少との関係で,今後どのような将来が予測されるのか,プロの視点でお話いただきました。

「老後」をみすえた長期的な目での準備,運用について,面白いデータをご紹介いただいたので,記載してみます。日本で最もお金をもっているのは,日本年金機構です。144兆円にものぼるそうです。しかし,少子高齢化で,年金制度を維持するために,適切な運用をすることが急務です。その役割は,GPIFという機関が担っています。ここでは,「安全」かつ「効率的」な管理・運用がミッションとされており,日本のお金のプロ中のプロ,エリートがつどって運用をしているそうです。同HPが紹介している管理・運用の情報は,大変参考になるということでした。

投資とか運用とかいうと,特に我々の業界では,破産など借金の整理や消費者被害の事件も多いですから,あまりよいイメージがないかもしれませんが,「長期的な目でみた備え」は必要な時代です。適切に勉強し,適切に備えることは必要だと思います。当事務所では,このような多業種の方との勉強にも取り組んでいます。興味がある方は,ご連絡いただけると,また新しい取り組みもできるかもしれません。今後ともよろしくお願いいたします。