私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。

もう失敗しない遺言・相続対策セミナー

令和4年2月6日(日)午前10時45分~午前11時45分,豊前市市民会館中会議室にて,弊所主催の「もう失敗しない!遺言・相続対策セミナー」を開催しました。

この週末は,雪まで降るような寒さの強い週末になりましたが,それにもかかわらず,想定していた人数をはるかに超える参加者にお集まりいただき,約15名の方々にお聞きいただきました。いつまでも学ぼうとする姿勢に頭が下がります。場所を当初予定していた小会議室から中会議室へと変更したり,換気を実施したり,検温・手指消毒を実施したり,ソーシャルディスタンスを保つように呼び掛けたり,あまり向き合わないですむような配置にしたり,パーテーションを用意したりと,考えられるコロナ対策はバッチリ行ったつもりです。今後も企画いたしますので,引き続き安心してご参加いただければと思っています。

盛りだくさんの内容をお話しいたしまして,時間との兼ね合いや話す分量については再検討の余地はあるかと思いますが,セミナー後に数名の方とお話しをした限りでは,みなさましっかりお聞きいただいていたようで,大変ありがたいと思いました。

セミナー特典として,遺言・相続サポートネットや,無料法律相談を実施しています。引き続き,1つでも幸せな相続が実現できるよう,精進していきたいと存じます。

レビュー 元彼の遺言状

新川帆立「元彼の遺言状」

現役の弁護士が著者の,「このミステリーがすごい!」大賞作品。へえ,弁護士って,こういう可能性もあるんですね。

「僕の全遺産は,僕を殺した人に譲る。」という,奇妙奇天烈な遺言をめぐって繰り広げられるミステリー。

まず特徴的なのは,主人公のキャラクター。冒頭で,婚約指輪のチープさにケチをつけるシーンなんか,「えええ!!!」って思ってしまう。そんな高飛車な女性弁護士も,読み進めるうち,いとおしいキャラクターになっていく…かもしれません(笑)。またちょっと系統は違いますが,「リーガル・ハイ」で古美門弁護士に対して「こんな弁護士いねーよ!!」と突っ込みたくなる感覚を,この作品でも覚えました。それだけキャラ立ちしていたということでありましょう。

次に,いかにも法律家が書いたという小ネタ満載なところも特徴的。業務委託契約でつながる弁護士,遺言状の公序良俗違反無効,学者の意見書などなど,法曹関係者が反応しそうな小ネタ満載。【ネタバレ注意】「株式譲渡契約書」のリーガルチェックが,一連の真相を解き明かすカギになっているあたりも,いかにも法律家が書いた作品と思いました。

警察対応とか反社とのかかわりとか,いろいろと法律家だからこそいろいろ書けるのであろう部分が散見されて面白かった。もちろん,法曹関係者以外でも「へぇ~」「そうなんだ」といった形で,楽しく読めるはず。学術的なわけでもなく,あくまで小ネタは小ネタで,不自然に法律論が入り込んでるということはありません。

久しぶりに小説を読みましたが,それほど時間をかけずに,サーっと,楽しく読めました。

全然面識あるわけではないですが,弁護士が著書の本って,とりあえず買って目を通してしまうんですよね。職業病かもしれませんが,この出会いに感謝です。

次回作にも期待しています。

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遺言書保管制度

私は言っています。いつも言っています。セミナーなどで「遺言は大事ですよ。」と。

…言ってる私が書いてないと,説得力ないですよね。

はい。私も書いています。

この前は,住宅建築にあわせ,財産目録を作成し,特技の書道を活かして自筆証書遺言を作成。さっそく,新設された法務局における自筆証書遺言書保管制度を利用して保管して参りました。

使い勝手は…まあまあですかね。

事前予約制であり,基本的にはインターネット予約なので,PCやスマホに不慣れな方はつらいかも。などと言いながら,私は直接電話をかけて予約を取りました。事前に,申請書を作成した上で,必要書類(遺言書原本,住民票,免許証などの身分証明書)を用意して管轄の法務局に赴きます。書類を渡すと,以前に遺言があるかとか、いろいろと調査が必要らしく,結構待つことになります。30分~1時間は待ったでしょうか。何かしら内職道具を持っていくべきですね。私はずっと本を読んでました。

なぜ,公正証書遺言ではなく自筆証書遺言なのかと言われそうなので…

私はまだ30代ですし,これから遺言を書きなおす機会は何度もあるかなと思います。現段階では、簡単な全部相続させる旨の遺言(特定財産承継遺言)でいいかなと思って,今回は,自筆にしました。自筆のデメリットは,無効になるリスクが相対的には高いところですが,私は一応専門家ですし,デメリットが表に出ない簡単な内容の遺言なら問題ないかなと思いました。

書き直す際は,公正証書を利用したいと思います。そのうち,税理士などと相談しながら,節税のプラニングなどもやっていきたいですね。人にするアドバイスを深めるには,自分もやってみるのが1番ですから。

保管制度を利用したのはどうしてか。

経験上思うのですが,「検認」という手続はあまり知られていないようで,実際,そんなにたくさんはお目にかかりません。事実上やってないで遺産分割をしていることもあるようです。保管制度を利用すれば,検認が不要になります。これは大きなメリットではないかと思います。検認にも1~2か月前後の時間と多少の費用(印紙代や郵券代)などがかかりますが,保管制度は3900円で済みます。

自筆証書遺言のデメリットとして,従来,紛失のおそれとか,発見されないかもとか,死後に改ざんの有無をめぐって争いになるかもとか,いろいろ言われていましたが,保管制度によってこれらはクリアできるようになりました。

今回,確認まではしませんでしたが,保管後も,タブレット端末等による閲覧は1400円,原本の閲覧は1700円の手数料でこれを確認できるようです。

法務局は,遺言の内容には口出ししないので,なかみを見てほしいというニーズには答えられないという面はございます。しかし,私の場合,こんなことがありました。恥ずかしながら,ドヤ顔で書いた遺言の日付が,「令和」ではなく「今和」になっていたのです(泣)。全く気がついておりませんでしたが,法務局から「このまま保管もできますが,有効性については法務局は何とも言えません。点を打つだけなので,点を打った上で保管もできます。どうなさいますか。」と言われました。点を打ったのは言うまでもありません。遺言書は,複数ある場合,日付が最新のものが有効になりますから,日付はとても重要な要素で,下手すれば無効原因になりかねません。まあ,誤記なのは明らかなので,裁判所では救済されるとは予想しますが,そもそもそんな危ない橋を渡る必要もないし,問題のない遺言がいいに決まっています。形式的なところに関しては,事実上,指摘してもらえるという効果が期待できると思います。

私がやや煩わしいと思うのは,氏名や住所が変更された場合届出が必要なことくらいでしょうか。マイナンバーカードを取得しましたが,これで何とかならんのですかね…

本人が出向かないと手続ができないのは,デメリットというかどうかという問題がありますが,こういうことがありました。遺言を書くことを希望していた方がいたのですが,認知機能ははっきりしているものの,重い病気で,話をすることもままならないような状態の場合です。保管制度のご案内などもいたしましたが,奥様が相談にいったところ,本人でなければ難しいと言われたそうです。そうなんでしょうが,このようなケースではデメリットになるんでしょうね。公正証書のように,担当官が赴いて保管してくれるというところまではないようです。

以上,実体験をもとにつらつらと書きましたが,多少の待ち時間が生じることや氏名住所の変更の届出のわずらわしさなどを除けば,基本的には使い勝手のよい制度と言えるのではないかと思いました。今後,利用が促進されることを望みます。

なお,遺言書を保管すると,添付のような書面をいただけます。これが,遺言の代わりになる書類なので,大切に保管しておいてくださいということでした。

新しい制度ですので,利用者の生の声はぜひ参考にさせていただきたいです。利用いただいた方がいれば,こっそり私に感想をご教示いただけますと幸甚です。

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「争族」の火種~相続法改正編~つづき

相続法改正がもたらす(かもしれない)争族の火種のつづきです。

自筆証書遺言が,法務局で保管できるようになります。ただし,内容の不備がある場合は無効ですので,この点の火種は残ります。また,そもそも,法務局での保管申請は自分でしないといけないので,元気なうちに預けないと,やりたくてもやれない状況になるかもしれません。

遺留分もかなり劇的に改正されました。これまでは,遺留分減殺請求をすると,遺留分(自分の最低限の持ち分)は自動的に自分に帰属してました。不動産も持ち分の分だけ共有になっていました。これが事業承継の障害になっていると不評だったため(注:たとえば,遺産が事業用の不動産くらいしかない場合,実際のところ,跡取りの息子が全部取得しないと,事業の基盤が揺らぐことになりかねません。それにもかかわらず,事業と関係のない親族が不動産の共有者になってしまいます。他,非上場の自社株式くらいしか遺産がない場合,遺留分減殺請求により,経営権が分散することになりかねず,企業の意思決定にかなりの支障を生じます。),金銭債権化,つまり,お金として請求することしかできなくなりました。これは,裏を返せば,お金を払わないといけないわけでして,これを用意できないような場合も多く出てくるのではないかと予想されます。そうすると,結局,先祖代々の不動産を売却してお金をねん出するしかなくなることもあるかもしれません。

特別寄与料請求権は,従前遺産分割の中で寄与分として検討していたものを,遺産分割から切り離して金銭請求のみできるようにしたものです。この請求期間が6か月と短いですが,遺産分割がまとまっていないであろうこの時期に特別寄与料を請求したら,それが原因で遺産分割も紛糾するという事案が出てくるのではと懸念されます。しかも,特別寄与料をもらった人が,配偶者と一親等の血族以外の人であった場合,2割加算の対象となるため,相続税も多めに払う必要が出てきます。

相続法改正により,よくも悪くも,いろいろな面に影響が出てくるでしょうから,改正前,改正経緯,改正後の実務をよく勉強して,適切な対応ができるよう努めていきたいと思います。

「争族」の火種~新型コロナ/相続税改正編~

新型コロナと相続。一見関係なさそうな2つが,実は新たな火種を呼んでいるそうです。どういうことか。相続税評価は今年の1/1時点の「路線価」で評価されます。コロナの影響は織り込んでない価格です。しかし,いま相続が発生したら,いま不動産の価格は下落する一方のようなので,実際の相続では評価の下がった不動産しかもらえないのに,相続税は高騰していた頃の評価で納めないといけないという形になります。コロナの影響がこんなところにも。

2019年7月(注:遺留分侵害額請求権が金銭債権化されました。寄与分制度が特別寄与料請求権になりました。故人の口座の預貯金の仮払い制度ができました。特別受益となる贈与に時効を創設しました。結婚20年以上の夫婦の自宅贈与を遺産分割の計算対象外とできるようになりました。),2020年4月(注:配偶者居住権が創設されました。)に始まり,2020年7月にも新法が施行される(注:自筆証書遺言が法務局で保管できるようになります。)改正相続法も,場合によっては,新たな火種となり得る様です。

たとえば,預貯金の仮払い制度。今までは相続人全員の印がなければ払い戻しができないのが通常でしたが,1行150万円を上限に,相続人単独で預貯金の払い戻しができるようになりました。預貯金が遺産分割の対象になるという最高裁判決の変更に伴い,遺産分割がまとまるまでいつまでたっても払い戻しができずに,たとえば相続税を払えない相続人が出て困窮してしまうことなどを回避すべく導入されたものと思いますが,逆に言えば,相続人1人の判断でさっと払い戻してしまって,後で相続人間で揉めることが考えられます。

配偶者居住権は,配偶者と他相続人があまり仲の良くないケースを想定して,本来は配偶者を保護する制度として創設されました。しかし,いま,節税目的での利用に注目が集まっていると言います。配偶者居住権は,原則として配偶者の死亡時に消滅します。二次相続まで考えると次のようになります。一時相続:配偶者居住権を設定。結果不動産の価値が減少。配偶者は配偶者控除があるため,ほとんどの場合,配偶者居住権(居住権)の取得に相続税がかからない。子どもは,価値の減少した不動産(所有権)を相続。評価の下がった不動産分の税金を納めればよいことになり,節税になる。二次相続:残った配偶者が亡くなると,原則として配偶者居住権は消滅する。二次相続では相続の対象にならない。不動産の所有権は既に子どもが取得しているため,相続税は課されない。トータルで見ると,配偶者居住権を利用しないケースより節税になる。

しかし,配偶者居住権は1度設定すると基本的に譲渡,売却できず,資金化できなくなるので,老人ホームへの入所資金など工面に困ることもあり得るようです。配偶者居住権の途中解除はできますが,所有者に贈与税がかかりますので,新たな火種になり得る様です。

“相続”と“争族”のはなし 税理士セミナー

令和2年2月5日午前10時30分~@みやこホテル,明治安田生命主催の相続セミナーがありました。講師は,豊前市で活躍する高野秀紹税理士です。実務的なお話も多く,要所要所で笑いもとっており,内容的にもセミナーとしても参考になりました。

いわゆる名義預金は税務署の重点調査項目とされていること(調べやすいから)などの話は面白かったですね。

生命保険会社のセミナーですから,保険を使った対策もいろいろとアピール。生命保険料の贈与による相続対策,代償交付金を生命保険金を利用して用意,借金が多い場合も相続放棄しつつ生命保険金を受領,などなど,勉強になりました。

画期的な新商品も開発したとか。相続税対策としてよく使われる年々の生前贈与を,保険を利用して年々保険金を受領するような形にできる商品。私も,適切な事案では,利用してプランニングをしていきたいと思いました。

相続プランニング

MDRT/CFPさんと協力して,相続対策に取り組んでいます。

相続対策というと,主に税金対策を思い浮かべますね。私は,相続対策は,大きく,

【相続税額を少なくする対策】

1-1:被相続人の財産を(合理的に)減らす

1-2:財産の評価を(合理的に)下げる

【払うのは仕方がないとして,納税資金をキャッシュで確保する対策】

2:被相続人死亡時にキャッシュですぐにお金が入るようにする

という対策になります,と説明しています。あまり難しくしてもわからないので,これくらいで押さえておけばよいのではないでしょうか。

1-1の財産を減らすというのは,贈与税がかからない年間110万円の限度での生前贈与などが代表的ですね。

1-2は不動産や非上場株など,評価に争いがあるものについて,タイミングを見計らってうまくやれば対策できることもあるようです。

2の典型的な方法は生命保険(死亡保険)を利用する方法。死亡保険金は,例外を除き遺産ではない(受取人固有の財産)と解されるため,受取人が請求手続さえとれば,面倒な遺産分割協議や調停をしなくとも,キャッシュがすぐに手に入ります。10か月以内の相続税申告の強い味方です。うまく使えば。

1-1につき,死亡保険がある場合,その受取人に注意。保険金はみなし遺産にはなりますので,受取人が相続人の場合,その相続人に多額の贈与税がかからないか?なども検討する必要があります。

たくさん保険をお持ちの方については、たくさんありすぎて,いざ保険金の受け取りを請求する手続が面倒と思われる方もいます(各会社に,必要書類の原本を用意して請求しないといけないと思われます。たくさんあると手間です。)。2の対策に逆行するような傾向です。同じような保険があれば,まとめてあげた方がよいかもしれません。無告知型の保険(病気の告知が要らない保険)をうまく使った対策もできます。この保険は,相続対策には便利なように思います。

いま話題のかんぽ生命にも注意。よく見たら,自分が考えたとおりの内容になってない場合もあります(孫にお金を渡そうと思って入ったのに,受取人ではなく被保険者が孫になっている場合など。先般,新聞でも報道されてました。)。その他,告知義務違反が疑われる保険などにも注意。全体的にチェックしていきます。

つらつらと書きましたが,保険,遺言など,複数の方法を横断的に検討して対策するのは,大変で難しいことですが,とてもやりがいのあることでもあります。事前に相続対策をしたいという方,ぜひご相談いただけますと幸いです。

お子様向けサービスを導入しました

弊所にもキッズルームが!……できればいいのですけど,基本的に狭い事務所なので,個別のキッズルーム・スペースを作るのが難しい現状がありました。

とはいえ,お客様のなかには,一定数,お子様連れの方もおられます。ソファーを用意してお待ちいただけるというだけでは,少し不親切かなと感じ始めておりました。一方,キッズスペースを作ることにより,ただでさえ狭い事務所がいっそうせまくなり,ごちゃごちゃした感じを与え,動線が不便になり,他のお客様に不自由を強いるのもよくないと思いました。

そこで,キッズスペースをつくる代わりに,お子様向けのマット・遊具・オムツ等のベビーグッツなどを取りそろえ,いつでも取り出せるように常備することにしました。お子様連れの方がご来所いただけたら,即席でマットを敷いてスペースをつくり,遊具などを提供して,お話し中に遊んでもらうなどすることができるようなイメージです。

子どもの世話はしないといけない。しかし,相談もしっかり聞きたい。…そんな方に喜んでいただけるのではないかと期待して,活用していきたいと思います。

ちなみに,漫画の設置も少し行いました。法律事務所なので,業務に関係なくもない,ためになる系の漫画で,面白いものという基準で選別しています。法曹界では評価が高いと聞いてます,「イチケイのカラス」も設置しました。

新サービス,上手くいくといいなと思います。 enter image description here

↑本棚の上にしまっておき,必要に応じて取り出すようにします。

「相続道の歩き方」

弁護士 中村真先生 「相続道の歩き方」

特徴的なイラストで有名な,現役の弁護士による,相続の解説書です。たくさんのイラストに目を奪われ,それだけでも楽しめるのですが,本文の内容は,かなり高度で細かな内容も記述されています。

全体的な感想としては,民法の教科書的な並びでもなく,実務のフローにあわせた流れというわけでもなく,独自の視点で相続法を整理して記述したもののように思われ,まずはその体系的描写が斬新だと思いました。内容的には,もちろん実務的に役立つ描写は満載なのですが,どちらかというと概念整理,概念の深掘りなどをしっかりしている書籍ではないかと思われ,改めて頭の中を整理するのに最適な書籍ではないかと思われました。

「特定遺贈と包括遺贈を区別する必要性はどこにあるか」(包括遺贈の場合,相続人でない受遺者も相続人と同じ扱いを受け(民法990条),包括遺贈の放棄も相続放棄の手続に従うなどしなければならない。),「法定相続情報証明制度の活用」,「相続で引き継がれる財産には,財産法上の法的地位なども含まれる」(本人の無権代理人相続と,無権代理人の本人相続),「生命保険金の受領は,判例上特別受益に該当する場合があるが,その場合に,持戻しの範囲をどう考えるかは別の問題」(被相続人が払った保険料額の総額説,被相続人死亡時の解約返戻金相当額説,総保険料額に対する被相続人が死亡時に支払った保険料総額の割合を保険金額に乗じた額説など。),「相続前における遺留分の放棄は,家裁の許可の上で一応認められているが,裁判例上,遺留分放棄者が,遺留分権利者の自由な意思に基づくものであるかどうか,その理由が合理性もしくは田労政,必要性ないし代償性を具備しているかどうかを考慮すべきとされている。」………

などなど,いろいろと知識・理解を深めていくことが出来ました。

入門書としては,やや難しいかな?という気もしますが,イラストの楽しさと相俟って,サクサク読めるだろうと思いますので,幅広い層の方におすすめの一冊です。