私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。

コンカッション

コンカッション。(脳)震盪などを意味する言葉です。同名のタイトルの映画(ウィル・スミス主演)では,ナショナル・フットボール・リーグの選手たちと慢性外傷性脳症との関連を発見した医師の実話に基づくドラマが展開されています。

オマル医師は,新進気鋭の医師・検視官。あるとき,アメフトを引退した花形選手の解剖に携わり,そこで,画像に映らない脳の病気を発見する。「慢性外傷性脳症」と名付けられることになるその病気を,アメフト界では全面否定。両者の壮絶な闘いが展開されます。

キツツキは,木に頭を打ち付けるようにしますが,生まれつき頭に緩衝装置が組み込まれているそうです。では,人間は?フットボールで,何度も頭を打ち付けますが,人間には元来緩衝装置がないというのです。そのため,脳にダメージが蓄積されていくというのです。死後の脳の病理学的検査でしか診断することができず,生存中,画像検査だけではわからないというおそろしさがあります。

映画の内容としては,実話をもとにしたというだけあって,必ずしもサクセスストーリー,ハッピーエンドというわけではなく,悲劇も織り交ざりながら,全体として重厚な物語に仕上がっていると感じました。

交通事故を扱う弁護士としては,「画像に映らない疾患がある」ということを改めて考えさせられます。自賠責(損保料率機構)において,後遺障害等級認定をするにあたっては,医師の診断と画像所見,神経学的所見が重視されますが,それだけでは拾いきれない疾患というのも,あるはずです。そのような症例にあたった場合,きちんと症状を把握し,場合によっては基準を乗り越え,適切な後遺症を獲得していく努力が必要だなあなどと,考えさせられたものでした。

そういう難しい話はおいておいても,大変勉強になる,退屈もしない,興味深い物語ですので,ぜひ1度鑑賞されてみてください。