私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。

全国倒産処理弁護士ネットワークに登録しました。

私は,弁護士となった当初から,多数の倒産事件を取り扱ってきました。現在も,個人・法人の破産申立代理人業務,管財人業務,小規模個人再生申立人代理人業務を,ほぼ間断なく行っています(さすがに通常再生事件などの経験はほとんどありませんが,研鑽は重ねておきたいと思います。)。

特に,現在,行橋管轄の管財事件,中津管轄の管財事件の双方を取り扱っており,さらに件数が増えているように感じています。管財業務は多大な手間暇がかかって敬遠されがちとお聞きしますが,民事法分野の幅広い知識とスキル,そして商売人魂が必要で,非常にやりがいを感じる業務の1つです。裁判所から信用を失わないように1つ1つにしっかり取り組み,今後も精進していく所存です。

その一環として,全国倒産処理弁護士ネットワークに登録させていただきました。略して「全倒ネット」などと呼ばれますが,これは,倒産事件処理に携わる弁護士に広く研鑚と意見・情報交換の場を提供することを目的として築かれたネットワークです。ML上でさまざまな意見交換がなされたり,研修会が開かれたり,成果を書籍として発行したりと,幅広い活動をしています。研修会に参加したことがありますが,深遠な議論に圧倒されたことを覚えています。

もともと,全倒ネットが編集している「破産法実務Q&A220問」をよく活用していました。今後は,会員として,情報をキャッチアップして,よりよい倒産処理業務を実現できるよう,さらに精進してまいりたいと思います。

レビュー リウーを待ちながら

朱戸アオ「リウーを待ちながら」(1~3巻,完結)

今思えば,予言的(?)な作品。3年ほど前の作品ですが,そこで描かれる感染症の拡大は,現在の新型コロナウイルス蔓延を彷彿とさせるもの。本作でも,新型インフルエンザ特別措置法に基づき緊急事態宣言が出されています。コンビニで,店員が,「感染症対策のためにお釣りがないようにお願いします」と述べていたり,妙にリアル。(実際は,さすがにそこまでの声掛けはきいたことがなくて,トレーで受け渡して「ご協力ください。」くらいですね。)

物語は淡々と,だからこそ忍び寄る恐怖を掻き立てながら進みます。富士山のふもとに広がる横走市において,原因不明の急病患者が急増。次第に,それがペストによるものと判明。紛争地帯から持ち帰ってしまった自衛隊駐屯地から広がり,同市はパニックに。懸命に感染を抑え込もうとする医師の奮闘を描く半面,同市からの脱走,脱走者に対する周囲の迫害などの負の部分も描く。

事実は小説より奇なりと言いますが,現実の日本の現状は,小説で描かれている一市のアウトブレイクをはるかに超える規模で感染の問題が生じています。そうであっても,重なる部分も多いです。設定に「?」と思わせるところも少なく,特に今は引き込まれる内容になっていると思います。

感染症の蔓延により悲劇も起こる中,それを乗り越え,新たなる一歩を進み始めるまでの話。タイトルは,古典・カミュ「ペスト」のリウー医師を意識したものですが,今だからこそこの古典もチェックしてみたいと思いました。

今だからこそ読んでみたい一冊です。

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