私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。

ブリッジ・オブ・スパイ

「スパイ」というタイトルですが,スパイアクション映画ではありません。冷戦時代,水面下で行われていた交渉に関し,弁護士の活躍を描いた,サスペンス映画です。

弁護士ジム・ドノヴァンは,ソ連のスパイの弁護を引き受けることになります。バッシングを受けながらも,懸命に弁護するドノヴァン。なんとか死刑を回避することができたが,その先には,さらに困難なミッションが待ち受けていました。冷戦下のソ連・東ドイツを相手に,捕虜となったスパイ同士の交換です。もともと,保険を専門に扱う事務所の腕利き弁護士として活躍していたドノヴァン。弁護士の真骨頂,交渉力が光る傑作です。

弁護士は,実に様々な業務を担当していますが,歴史的には,このような大役を担っていた方もおられるのですね。おすすめの一作です。ぜひともご覧あれ。

「運命の逆転」

本日は,映画のレビューを書きます。 みなさんは,クラウス・フォン・ビューロー事件をご存知でしょうか。上級階級のスキャンダルということで世をにぎわせたという冤罪事件です。

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【クラウス・フォン・ビューロー事件】

大富豪クラウス・フォン・ビューロー氏が,突発性低血糖症を患っていた妻サニーに対し,インスリンを過剰投与することにより,妻を植物状態にしたという被疑事実で裁判にかけられた,殺人未遂被告事件。 被告人のカバンからインスリンの注射器が出てきたなどされていたが,当時のインスリンは要冷蔵であったため,カバンに入っていたインスリンに効力があるのかなど,いくつも疑問点があった。 クラウスは有罪とされたが,高名なハーヴァード大学教授アラン・ダーショウィッツを雇って控訴し,弁護団は,警察の捜査を丁寧に検討し,その杜撰さを証明した。 その後,被告人は,無罪となる。 妻サニーは,28年間植物人間のまま,平成20年12月に息を引き取った。

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映画は,植物人間になった妻の登場からはじまります。映画のなかでは,基本的に,クラウス・フォン・ビューロー氏やアラン・ダーショウィッツ氏視点で,裁判が進んでいく様子が描かれますが,時折,植物人間である妻目線(ナレーション?)のセリフがはさまり,錯綜する事実関係,思惑,深まる謎などが表現されます。みどころ満点のサスペンスです。ただし,映画が公開された時点において,当事者がほとんど生存していたこともあって,結末は,少々ぼかされていたようです。

弁護士目線でみても,アラン・ダーショウィッツ氏を中心に,衝突しながらも,多くの弁護士が,事実関係,法律関係,裁判例などを徹底的に洗い出し,取り組もうとする姿,一方で,依頼人を信じてよいものかどうかという葛藤のなかで,弁護活動を進めていく難しさなどが描かれており,考えさせられるところがありました。

この作品でアカデミー賞主演男優賞を受賞した,ジェレミー・アイアンズ氏(クラウス・フォン・ビューロー役)の怪演もみどころです。 ぜひ1度,鑑賞してみてください。