私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。

なぜ 倒産

幣所では,多くの債務整理事案を取り扱っています。個人のお客様の場合,経済的に破綻してしまった,その混乱状態を収束させ,経済的な立ち直りを図り,改めて前向きなスタートを切るためのお手伝いをさせていただきます。

そのなかでも,さまざまな原因で,経済的な破綻をきたしていく様子を目にしてきました。企業の破産は,個人の破産ほどは取り扱いが少ないですが,必死に企業を守ろうとするものの,残念ながら破綻してしまうということがしばしば。人間模様を観察していると,さまざまな人生を背景に,各種各様の理由で,法的な整理に至っているさまを目にします。

そのような業務に日々携わっているわけですが,先日,「なぜ 倒産」という書籍を読みました。「なぜ 倒産」は,帝国データバンクや東京商工リサーチの協力を得ながら,日経トップリーダーが編集した,「失敗」に目を向けた異作の本です。サクセスストーリーではなく,失敗に目を向けて編集しているのが面白いですね。反面教師となるかもしれません。大企業ではなく中小企業についてまとめているところもよいです。

内容は,社長自らが話していたり,法的整理の申立人代理人弁護士,管財人弁護士が直接話しているところが少ないため,やや物足りない面もないわけではないですが,淡々とコンパクトにまとめられていて,読みやすいと思います。

多くの事例では,「成功したビジネスモデルから変わることができず,変化についていけない」「新規事業に投資したが失敗」「1つの取引先に依存し過ぎ」などなど,よく言われる失敗ではあるが,具体的な企業名を挙げてケース紹介をしており,経営者には耳が痛いお話もしばしばです。

こういった話を参考にして,少しでも企業が学びを得て,元気を出し,活力ある経営ができればと思います。私は,数としては破産手続の経験が最も多いと思いますが,経営再建的な業務にも携われますので,これらの業務にも活かしていきたいですし,私自身が超零細の個人事業主として経営していますので,本書の内容を糧にして,大きな失敗のないよう,堅実な経営を続けていきたいと思います。

あえていうと,さらにもう少し小規模の個人事業主,法人の事案ばかりを集めたもの,地方の事案ばかりを集めたものがあるとよいなと思います。

「成功はアートだが,失敗はサイエンス」という,冒頭のフレーズが印象的です。一読の価値ありと思います。おすすめです。

enter image description here