私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。

令和元年(2019年) 総括

令和元年(2019年)12月28日,仕事納めでした。年末は,もはや毎年恒例となっている(?),駆け込み保釈請求を行い,これを認めてもらってすみやかに手続をとったり,管財人業務で財団債権として翌年の固定資産税を負担しないでよいように不動産売却業務を滑り込みで年内に片づけたりと,なかなか大変でございました。

1年振り返って,我ながらよく働いた1年間だったと思います。事件数も増え,馬車馬のごとく処理・解決してきたように思います。

今年は,新元号最初の年,そして「豊前総合法律事務所」としては出発の年(注:「豊前ひまわり基金法律事務所」から,令和元年10月1日,「豊前総合法律事務所」に生まれ変わりました。)です。そんな節目の年がどんな年だったか,ここで振り返ってみたいと思います。

昨年に引き続き,コンスタントに交通事故事件を受任しています。交通事故事件を受任しなかった月はないのではないでしょうか。

物損事件は,金額がそれほど大きくなくとも,法理論的には結構難しかったりして,資料を集めてしっかり検討をしてやるべきという葛藤と,一方で代車のことを考えるとすみやかに解決した方がよいというニーズがあって,解決するのは結構骨が折れるものです。過失割合をはじめ,経済的全損の際の時価額,評価損(格落ち損)の有無・金額など,難解な論点が多い。今年は,休車損で激しく争い,主張立証には相当に苦労をしましたが,勝訴的和解を勝ち取った事件もありました(示談交渉段階はゼロ回答→和解金額150万円)。

人身事件は,弁護士介入後,裁判基準を用いて傷害慰謝料をできるだけ増額してもらって和解に持ち込み,スピード解決を目指すというタイプの事件から,事故直後からの受任において,むちうちの際に適切な後遺障害を勝ち取るように通院指導・監督して一緒に事件を進行させていくタイプの事件,事前認定に不満があって異議申立をする事件,役員報酬・自営業・家事労働など,適切な休業損害(基礎収入,休業日数)につき争うタイプの事件,死亡逸失利益(年金逸失利益)や生活費控除について検討が必要な事件など,さまざまなタイプの事件を扱いました。なかでも,やってもやってもなかなか通らない異議申立について,先般,非該当から14級に変更があった事案があり,大変嬉しかったことが思い出されます。役員報酬の基礎収入の争いの事件が多かったことも特徴かなと思われました。

家事事件については,相続案件が顕著に増えました。相手方が全く反応しないので,審判又は調停に変わる審判でなんとかして解決しようと尽力した事件。使途不明金等の疑いを掛けられ,これを懸命にブロックして,最小限のダメージに抑えて和解ができた事件。遺言の解釈が問題になり,これを激しく争った事件。使途不明金を追求し,遺言無効確認請求をし,遺留分減殺請求をするといった,相続の前提問題等のフルコースの事件。遺産の遣い込みを調査し,特別受益(生命保険)を調査し,寄与分を検討し,相続税申告もサポート(注:申告は税理士にお願いしています。)するなど,多角的に検討してご依頼者様にご満足いただいている事件。保険の組み換え,生前贈与,遺言書作成などを組み合わせ,ご依頼者様の意思を尊重できるよう,隣接士業や保険営業担当などと協力してプラニングをする事件。…などなど,バリエーション豊かで,さまざまな事件を経験しました。また,隣接士業や保険営業担当などと協力して行うことで,そうした方々のノウハウなども勉強でき,活動の幅が広がったように思います。遺言の解釈の問題に関し,先日,勝訴できたことも嬉しかったですね。今年,相続に特化したHPの作成も行い,情報発信も引き続き続けていきたいと思っています。

離婚事件もコンスタントにありますが,親権・面会交流で,子どもをめぐる激しい争いの事件が多かったような印象です。ご依頼者様のために一生懸命主張立証を尽くし,相手方から子どもを返してもらえた際の,お母さんの笑顔が忘れられません。厳しくつらい闘いになることも多いですし,子どものためを考えると,本当に激しく対立することがよいのかという葛藤もあるのですが,悩みが深いだけに,これを乗り越えて解決してきたことにより,自分の対応の幅が広がってきたように思っています。虐待案件などの難しい案件も扱い,こうした意味でも幅が広がりました。

債務整理分野では,これまで申立人代理人の立場での活動が多かったですが,管財人業務を担当することが格段に多くなりました。裁判所に信用していただいているのだとすれば,大変うれしい限りです。とはいえ,管財案件は,多数の個人債権者がいる困難案件や,抵当権付きの不動産の売却が問題となる困難な案件などが多く,日々頭を抱えながら事件対応しているところです。倒産手続は法律問題のるつぼと言われていますが,しっかり対応できるよう,自分を磨いていきたいものです。なお,個人の破産ばかりでなく,法人破産の申立てもあり,事業継続中の法人につき,すみやかに弁護士介入のもと,開始決定をいただくために,久方ぶりに徹夜に近い無理をして,かなりタイトスケジュールで申立書を仕上げたのも,良い思い出となりました。

刑事事件も,今年は裁判員裁判の担当はなかったものの,多数の事件を扱いました。あまり詳しく話せませんが,地元では結構有名な事件もいくつか対応しました。さらに,準抗告や保釈請求などもたくさん行って,たくさんの書面を作りました。とにかく接見に通い,被疑者・被告人との信頼関係を醸成しながら,さまざまな人の人生に触れました。こうした話を聞ける,そしてこれを弁護に役立てていけるというのは,刑事事件の醍醐味ではないかと思っています。今後も,しっかりと対応していきたいです。ただ,未だ無罪判決の経験はなく,弁護士としては適切な事案においてはきちんと無罪が獲得できるように腕を磨かなければと思うところです。

最後に,建築・医療などの専門的な分野も多少は扱っているものの,さすがに数としては多くありませんでした。従前はできなかった顧問契約ができるようになり,サービスの幅が広がりましたので,こうした継続サービスもご利用いただきながら,対応の幅を広げていければと思っています。はやくも顧問契約をいただいたものがありますので,しっかり対応して,他の企業様も含め,喜んでいただけるサービスを提供できるように努めます。

本年の仕事は以上のようなものでございましたが,1年間何とか走ってこれたのも,地域の方の協力の賜物と思っています。

来年は,企業法務分野(中小零細企業支援)への注力を強めていきたいと,せっかく事務所内に海事代理士資格を有する事務員がいるので,海に関する業務についての挑戦を検討していきたいと考えております。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。


ブロガー: 弁護士西村幸太郎

豊前の弁護士です。