私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。
いままでの投稿: 2020年
海事補佐人
海事補佐人に登録しました。
海事補佐人は,海難審判において代弁活動をいたしますが,当事者らにとっては,戒告や業務停止を出されてしまうと,本来業務を圧迫される大問題になります。
海事代理士と協力しながら,適切な弁護活動ができるよう,活動の幅を広げていきたいです。
「見えない資産」の評価が高まった企業 日経新聞レビュー
2020年2月11日(火)・日経新聞・11面記事
「見えない資産」の評価が高まった企業 信頼が強める成長期待 1位 弁護士ドットコム
記事によると,中堅上場企業(売上高100億円以下)を対象に,2019年末まで3年間のPBR(株価純資産倍率)の上昇率を調べたところ,首位は国内弁護士の4割強が登録する法律相談サイトを運営する,弁護士ドットコムだったそうです。
利用する弁護士,利用する市民がいなければ,成長はあり得ないでしょうから,それだけ弁護士へのアクセスを求めているということが読み取れるのかなと思います。2016年末と2019年末を比べると,約5割増えたそうですが,凄いですね。この3年間でそれだけ認知度が高まったということ?人数の多い新規登録者が軒並み登録しているということ?ほかにもポータルサイトはありますが,ある程度の登録がなければ,本当に比較検討はできませんで,お金払った人が目立つだけで,本当によい先生との出会いというのが望めなくなると思いますから,弁護士の多くが加入しているポータルサイトがあるというのは,よいことだと思います。
とはいっても,私は,どちらかというと,自前のHPを増やしていきたいと考えており,毎年,年に1分野ずつは作りたいと思っています。今年は海事関係のページを作る予定です。
なお,電子契約サービス「クラウドサイン」も注目を集めているのだとか。こちらも動向を注視すべきですね。
今後とも幣所をよろしくお願いいたします。
育徳館高校 消費者被害出前授業
令和2年2月14日,福岡県立育徳館高校にて,消費者被害に関する出前授業を行ってまいりました。
いま,令和元年度巣立ち応援事業が実施されています。2020年4月1日から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられることを1つの契機として,高校生が自立した消費者になるために必要な知識や,悪質商法などのトラブルへの対応方法を身に付けるために,実践的な消費者教育講座を実施しています。
時間が限られていますので(高校生の授業は1コマ50分。紹介とか教員コメントとかいろいろやっていると,実質話す時間は40分くらい。),講座で伝えたい内容をしぼって,契約とはどういうものか→未成年の場合どのような保護があるのか→成人したら自衛しないと→もし被害に遭ったらどうする→どんなところに相談したらよいか,というようなことをお話ししました。冒頭,契約内容に争いがある実際の事件の経験をお話しすると,比較的真剣に聞いていただいたような気がしました。不当請求事案(ワンクリック詐欺)などの話も興味をもっていただけたようです。未成年者取消しの一般的知識,動画再生も含めたマルチ商法の例,クーリングオフの概要などを説明の上,社会人になるということが,自由とともに責任も伴う,みなが認識している以上に重大な変化であることをお話ししてしめくくりました。
消費生活センターや法テラスの宣伝も忘れずに。
今回のお話が,少しでも生徒の今後の生活の糧になっていただければ幸いです。
なお,弁護士の仕事に興味がある人は,ぜひ事務所の見学にお越しください!
監査役 野崎修平 レビュー
織田裕二主演「監査役 野崎修平」
もとは漫画の原作らしいです。形骸化しているとも言われていた日本の監査役にスポットをあてて描いた珍しい作品です。やや昔の時代設定で,バブル崩壊後の悪戦苦闘して生き抜いた激動の時代・2000年以前のことが描かれています。株主総会に総会屋がわんさかいて,時代背景を感じさせます。もちろん,脚色しているところはあるのでしょうが…
司法試験で勉強していても,監査役は,ガバナンスのところで少し勉強して,〇✖問題対策で多少知識を入れる程度勉強した記憶しかありません。しかし,実際にどのように会社内で働いてどういうことをやっているかがわからないと,イメージもわかないし,机上の空論で終わってしまいます。脚色があるとはいえ,監査役の業務の様子を垣間見えるところは,なるほど参考になるなあと思いました。
つづきで,「頭取 野崎修平」があるそうですね。 こちらもチェックしておきたいと思います。
弁護士も,社外監査役,社外取締役などに就任してお手伝いをすることもございます。もっと勉強していきたいです。
ボクはやっと認知症のことがわかった レビュー
長谷川和夫「ボクはやっと認知症のことがわかった」
あの「長谷川式スケール」の長谷川さんです。有吉佐和子「恍惚の人」が社会問題を引き起こした頃,長谷川さんは一所懸命に,簡易的に認知症かどうかがわかるテストの開発に明け暮れていたようです。長谷川式スケール開発秘話というのも面白かったですし,これまでの認知症の歴史がよくわかりました。認知症とは何かという本質論について,長谷川さんは,「暮らしの障害」だと言います。「認知症になったからといって,人が急に変わるわけではない。自分が住んでいる世界は昔もいまも連続してるし,昨日から今日へと自分自身は続いている」という言葉も含蓄がある。目に見えない,わかりにくい障害について,第一人者として,自分自身が1人の認知症患者として,淡々と,しかし力強く,考えと想いをつづった一冊と思いました。福祉関係者必読の一冊。
“相続”と“争族”のはなし 税理士セミナー
令和2年2月5日午前10時30分~@みやこホテル,明治安田生命主催の相続セミナーがありました。講師は,豊前市で活躍する高野秀紹税理士です。実務的なお話も多く,要所要所で笑いもとっており,内容的にもセミナーとしても参考になりました。
いわゆる名義預金は税務署の重点調査項目とされていること(調べやすいから)などの話は面白かったですね。
生命保険会社のセミナーですから,保険を使った対策もいろいろとアピール。生命保険料の贈与による相続対策,代償交付金を生命保険金を利用して用意,借金が多い場合も相続放棄しつつ生命保険金を受領,などなど,勉強になりました。
画期的な新商品も開発したとか。相続税対策としてよく使われる年々の生前贈与を,保険を利用して年々保険金を受領するような形にできる商品。私も,適切な事案では,利用してプランニングをしていきたいと思いました。
相続プランニング
MDRT/CFPさんと協力して,相続対策に取り組んでいます。
相続対策というと,主に税金対策を思い浮かべますね。私は,相続対策は,大きく,
【相続税額を少なくする対策】
1-1:被相続人の財産を(合理的に)減らす
1-2:財産の評価を(合理的に)下げる
【払うのは仕方がないとして,納税資金をキャッシュで確保する対策】
2:被相続人死亡時にキャッシュですぐにお金が入るようにする
という対策になります,と説明しています。あまり難しくしてもわからないので,これくらいで押さえておけばよいのではないでしょうか。
1-1の財産を減らすというのは,贈与税がかからない年間110万円の限度での生前贈与などが代表的ですね。
1-2は不動産や非上場株など,評価に争いがあるものについて,タイミングを見計らってうまくやれば対策できることもあるようです。
2の典型的な方法は生命保険(死亡保険)を利用する方法。死亡保険金は,例外を除き遺産ではない(受取人固有の財産)と解されるため,受取人が請求手続さえとれば,面倒な遺産分割協議や調停をしなくとも,キャッシュがすぐに手に入ります。10か月以内の相続税申告の強い味方です。うまく使えば。
1-1につき,死亡保険がある場合,その受取人に注意。保険金はみなし遺産にはなりますので,受取人が相続人の場合,その相続人に多額の贈与税がかからないか?なども検討する必要があります。
たくさん保険をお持ちの方については、たくさんありすぎて,いざ保険金の受け取りを請求する手続が面倒と思われる方もいます(各会社に,必要書類の原本を用意して請求しないといけないと思われます。たくさんあると手間です。)。2の対策に逆行するような傾向です。同じような保険があれば,まとめてあげた方がよいかもしれません。無告知型の保険(病気の告知が要らない保険)をうまく使った対策もできます。この保険は,相続対策には便利なように思います。
いま話題のかんぽ生命にも注意。よく見たら,自分が考えたとおりの内容になってない場合もあります(孫にお金を渡そうと思って入ったのに,受取人ではなく被保険者が孫になっている場合など。先般,新聞でも報道されてました。)。その他,告知義務違反が疑われる保険などにも注意。全体的にチェックしていきます。
つらつらと書きましたが,保険,遺言など,複数の方法を横断的に検討して対策するのは,大変で難しいことですが,とてもやりがいのあることでもあります。事前に相続対策をしたいという方,ぜひご相談いただけますと幸いです。
孤高のメス
連続ドラマW「孤高のメス」(2019)。
医療界の複雑で特殊な人間関係について描写するドラマは,医療ドラマの金字塔である「白い巨塔」第一部でも描かれていますが,今回のドラマも教授選などでそうした描写がふんだんに見られました。
時は1980年代後半。私が産まれたばかりの頃です。妻が「今は看護師さんあんな帽子かぶらないよ。昔の話なんかな。」と言っていたのが思い出されます。未だ脳死についてコンセンサスが得られていなかったころ。地方の病院では中央の病院の医師の派遣に頼らざるを得なかった状況(弁護士過疎偏在問題と似たようなところがあるかもしれません。),目の前の患者が苦しんでいるのに慣例を重視する背景など,医療にはびこるさまざまな問題を描きながらストーリーは展開されていく。窮屈な医療界を変えたいという野心を燃やす中,当初は反発していた慣例主義,体裁や建前に取り込まれていく実川教授と,最初から最後まで一貫して目の前の患者を救うことだけを考えて行動する当麻医師を対比させながら,医療の在り方を問うように物語は進んでいきます。ジャーナリストの報道姿勢についても考えさせられるところがありますね。
ラストは,主人公にとってハッピーエンドとは言い難く,あえてサクセスストーリー的に更生していないところも好感が持てます。医療を取り巻いていた問題の根深さを象徴しているのではないでしょうか。
もちろん,当時より医学は進歩し,また脚色が過ぎるような部分もあるのでしょうが,医療を取り巻く問題について考える題材として,大変勉強になりました。
タッキー(滝沢秀明さん)が引退前の最後のドラマとしてこちらに出演したというのも面白いですね。最期のドラマがこの作品ということで,どのような思い入れがあったのかなど,ぜひ聞いてみたいものです。
医療問題に携わる方,医療について考えたい方におすすめの一作。