私(西村幸太郎)の一連のブログ記事です。私がどういう人間なのか、どういう活動をしているのか、どんなことを考えているのか、どんな知識やスキルを持っているのか、信頼に足る弁護士か、などなど、たくさんの疑問をお持ちの方もおられると思います。そのような方々は、是非こちらの記事を御覧ください。

交通事故の被害者側代理人が知ってお得な経験知識

今年の日弁連夏季研修では,交通事故に強い菅藤浩三先生により,「交通事故の被害者側代理人が知ってお得な経験知識」と題して,研修が行われました。私も,交通事故を数多く扱っておりますので,ぜひともお聞きしたいと思い,遠路はるばる,福岡市六本松まで,足を運んできました。

もちろん,これですべてではありませんが,気になったことをメモ程度に。

・交通事故から1か月以内くらいの早期相談者…被害者にノーマルストーリー,弁護士を介入させる意味を理解してもらう。

・治療打ち切りへの対策としての転医は,おすすめしない。後医が,症状固定を判断するのが,難しいから。

・一括対応の時期延長交渉を希望する方は多い。しかし,せいぜい1か月くらいが限度で,劇的に伸長は難しいのではないか。骨折などの場合は別。打ち切り後も通いたい場合は,健康保険を使う。この場合,第三者加害行為による傷病届の提出を忘れない。

・通院交通費などについては,自己申告をうのみにするのではなく,しっかり調べることも重要。こういうところで信用を落とさないことが,全体として解決水準を下げないようにするために重要。

・裁判により等級を上げようとして,返り討ちにあう事案もある。訴訟提起する場合は注意。

・一括払いしていた相手方損保が訴訟で施術期間を争うのは信義則違反か?→信義則違反ではない(福岡高判2004.2.28,東京高判2015.2.26)。

・治療途中に別の交通事故に遭い同一部位を負傷した場合…第2事故に遭遇した日以降の損害はどちらの当事者が分担負担する?…連帯責任にはならない。各事故の寄与度を自由心証で定める。訴訟も覚悟せざるを得ない。具体的には,赤本2016年下巻講演録参照。

・担当医が非協力的な場合,転医による対応を考える場合は,できるだけ早期に行う。

・分損の適正修理費用の紛争については,①そのキズが当該事故によるものか(事故とキズとの因果関係),②板金修理で済むか部品交換が必要か(選択する手段の適正),③標準作業点数との乖離,さらにはレバーレートの違い(単価の適正)が問題になり得る。

・レバーレート(工賃単価)×標準作業点数(指数)=作業工賃

・標準作業点数は,自動車整備標準作業点数票でわかる。

日常的な業務のなかで,共感できるところ,参考にできるところ,応用できるところがたくさんありました。この研修内容も生かして,より充実した弁護活動を行っていきたいと思います。


ブロガー: 弁護士西村幸太郎

豊前の弁護士です。